中学校や剣道の活動で指導を受けたOBOGもたくさんいることでしょう。2023年も豊里小中学校で生活指導担当、そしてもちろん「体育」を受け持っている和彦先生から 「応援メッセージ」を毎月お伝えしていきます。 頭でっかちでも・体力ばっかりでも足りない 目指すは大人に負けない人間力 2023/2/17 寄稿
1月末,最強寒波が日本を覆いました。地球自体がおかしくなっているようです。
カナダや北米は街全体が凍りつく異常現象で,かたやヨーロッパは温暖な気候で,常に雪を抱いているスイスなどはスキーが出来ないくらい極端に降雪が少ない状態なんだとか・・・・・。
人間が地球をいじめた結果がこういう状況を生み出し始めています。考えてみてください。地球って人間のものだけでなく,生きとし生ける全てのためのものなんですよね!しかも,地球という星にも限りがあることをしっかり認識すべきです。
中国のように「台湾は我々のものだ」「尖閣諸島は中国固有のものだ」とか,ロシアのように勝手に土足でウクライナに侵攻して,地球そのものにダメージを与えているのは地球の天敵です。
なぜ人は優しくなれないのでしょうか。猫も犬も,渡り鳥も,みんな人間の兄弟だと私は思います。だから,たまに道路で交通事故に遭って命を落としている動物たちを見ると,おもわず「ごめんなさい!!」と心の中で叫んでしまいます。
さて,今日は「アサーション」という耳慣れない言葉を皆さんと一緒に考えてみましょう。この「アサーション」という意味は「自分も 相手も大切にする,お互いが調和した気持ちの良い自己表現。簡単に言えば「私もOK ! あなたもOK!」という対応の仕方です。
たとえば,長い行列の中に誰かが割り込んできた場合,攻撃的な対応だと「どうして割り込むのか。後ろに並べよ」などと相手に命令するかのような対応になります。
非主張的な対応だと「私がOKではないけど,あなたがそうしたいなら仕方ない」と黙認します。しかし,この場合黙認するだけなので,まわりも迷惑だし,自分の心にフラストレーション(欲求不満)だけがたまります。
アサーティブ的対応ならば,「すみません,皆さん並んでいるので後ろに並んでもらえませんか。何か早く行かなければならない理由がおありですか?」となり,相手の気持ちも聞く姿勢を見せて歩み寄ることができます。
私が勤務している豊里小中学校の校長先生,教頭先生はこのアサーティブ対応の名人です。だから,職員の風通しも良く,何でも言い合える雰囲気です。また,特別支援の生徒達をサポートしてくれる学習支援員のNさんはいつもアサーション的な態度で,優しく,笑顔で私たちや子どもを包み込んでくれます。とても温かい感じの女性です。それが子どもたちにも大きく影響してきて,子どもたちはのびのび生活しています。私が昔勤めた学校に「俺は管理職だ,言うことは絶対だ」という攻撃的な対応をする上司がいました。その様な学校の雰囲気はいうまでもなく重苦しく,閉鎖的な感じです。
つい最近,私は勤務する学校の保護者,Sさんというお父さんと部活動のことで会食する機会がありました。驚いたことにそのお父さん,部活動に所属する子どもたち一人ひとりの良いところをすらすら言えるのです。「あの子は公園でドリブルしながら自主トレしている」とか,「あの子はこんな気持ちで友達や保護者と接している優しさがある」など,本当にごく自然に口から飛び出るのです。
まさに,アサーティブ的なものの見方です。とても素晴らしい!!会話していてすごく心が和みました。
さらに「先生!うちの息子はあまり勉強が好きではないのですが,すばらしいと思うことがあります。それはどんなことがあっても人の悪口を言わないところです」と話してくれました。思い出せば,いつも友達の誰かが人の批判をすると,その息子であるA君はその場から立ち去ります。人の悪口を聞くのが嫌なんだと思います。
だから,A君のまわりには人が集まります。まさに,親のアサーティブ思考がA君にも浸透しつつあるようです。
もう一件の家庭を紹介します。以前私が勤務した学校の話です。その家庭は,祖父母,母親,三姉弟(姉・弟・妹)という家族構成です。
三人の子どもたちと接していて,どうしてこんなに明るく素直なんだろうと驚いてしまいます。
お母さんは,近くのふれあいセンターに勤務していて,何度か話すことがありました。やはり,子どもの生き方や考え方を否定せず,アサーティブ思考で,人の話すことを聞
く女性でした。話していると引き込まれるような不思議な感覚に・・・・・・。
「どのような育て方をしているのだろう?」と家庭訪問をさせてもらいました。
何も言わないのに,おじいさんのおおらかさ,おばあさんのやさしさがひしひしと伝わる家庭内の雰囲気。終始笑顔で,何も口を挟まず,しっとりと包み込むように話を聞いてくれました。
高校3年生のお姉さんは,今日あった出来事や考えを包み隠さず話すタイプで,自分で話して,自分で笑ってしまうような底抜けに明朗なタイプ。
高校生になった弟はおじいさんに似て,おおらかでしっかり
タイプ。
中学1年の妹はちょっと甘えっ子に見えますが,お母さんそっくりのアサーティブ対応のできるすばらしい子どもでした。まさに,「この親ありて,この子あり!!」
アサーションには多くのメリットがあります。お互いに素直な気持ちや考え方を表現し,違う意見を受け入れることで自分の心の器が大きくなります。
意見が異なっても双方が納得できる結論,あるいは一人で考えたとき以上の良い結論が見つかり,お互い背伸びしないで理解し合える人間関係が生まれます.
今は少子化の影響もあり,人と人の交わりも希薄になりました。何かのきっかけで,心にカーテンが引かれ,学校に足を運べなくなる子どもたちも多くなりました。
でも,少しでも,このアサーティブ対応を身につけていけば,ストレスもあまり感じず,多くの人があなたを受け入れてくれると思います。
今回はちょっと難しいお話になっていまいました。ごめんなさい!!
最後に 私の大好きな歌の歌詞をみなさんにお伝えし,次回にしたいと思います。
野に咲く花のように
作詞 杉山政美 作曲 小林亜星
野に咲く花のように 風に吹かれて
野に咲く花のように 人をさわやかにする
そんな風に僕たちも生きてゆけたらすばらしい
時に暗い人生も
トンネル抜ければ 夏の海
そんなときこそ
野の花のけなげな心を知るのです
野に咲く花のように 雨に打たれて
野に咲く花のように 人をなごやかにして
そんな風に僕たちも生きてゆけたらすばらしい
時にはつらい人生も
雨のちくもりでまた晴れる
そんなときこそ
野の花のけなげな心を知るのです
ルルルル・・・・・ ルルルル・・・・・