2021年10月16日(土曜日) 宮城県登米市長沼のアイエス総合ボートランドに東北6県から選抜された新人クルーたちが集いました。 この大会で上位3着までが全国選抜の出場権を獲得する大切なレースです。
2021年10月16日(土曜日)
宮城県登米市長沼のアイエス総合ボートランドに東北6県から選抜された新人クルーたちが集いました。
この大会で上位3着までが全国選抜の出場権を獲得する大切なレースです。
ここ長沼は国際大会も開催可能な A級コース認定のボート競技場なんですが、NHKの朝ドラ「おかえりモネ」の舞台としても話題になっていますね。
ドラマ内では、風車の下に主人公が勤務する森林組合の事務所、という設定の朝ドラ。 そのロケ地はなんと、新築された宮城県ボート場のクラブハウスなんです。
高校・大学のボート部が強化合宿を行うことができる施設なんですよ。
7月には東京オリンピック事前合宿地として、ポーランド代表チームもここ長沼で最終調整を行いました。
その結果は御存知の通り、女子選手が銀メダルに輝きましたね。
今回大会当日の朝は、なんと!今季初の最低気温一桁を記録。
さらに雨が降りしきるバッドコンディション。
朝7時のボート場には選手たちの姿が。そうです。選手たちの準備はもう始まっています。
選手一人一人がボート機材を組み立て・調整し、仲間とともに水面へ漕ぎ出すボート競技。
それぞれの手足の長さに合わせたセッティングも勝敗を分ける重要なポイントです。
たくさんの種目のある部活動の中でも、ボート機材や競技場の計測システムなど大規模な種目となり、その競技ルールやタイムスケジュールは厳密に進められます。
このような豊かな経験ができる競技なので、将来社会生活に活かせる大切な学びとなるのではないでしょうか。
定刻の10時を迎えいよいよレーススタート。
レースナンバー1は、女子シングルスカル決勝
スタートから中盤まで 5レーン・岩手県・西和賀高校・久保選手と、2レーン・青森県・青森中央高校・山本選手が競り合う高展開。 ラスト100メートル、スパートの粘り強さを見せつけ岩手県・西和賀高校・久保選手が逃げ切りゴール。青森県・青森中央高校・山本選手が2着でゴール。 3位争いも残り50メートルまで4・6・7レーンの競り合い。この接戦をものにしたのは、宮城県・佐沼高校・黒田選手。 という結果でした。
続いてレースナンバー2,男子シングルスカル決勝
スタートから500メートル付近まで横1線の展開を見せ抜け出したのは、岩手県・山田高校・中屋選手。 続いて2レーン秋田県・秋田高校・鎧(よろい)選手、3レーン宮城県・石巻高校・高橋選手が粘りを見せます。 750メートルからの岩手・中屋選手が飛び出し1着。 残り100メートルから2位争いのラストスパートを制し宮城・高橋選手が2着。3着秋田・よろい選手という結果でした。
レースナンバー3,
女子ダブルスカル決勝は波乱の展開となりました。 スタートから中間500メートル地点まで、2レーン福島県・喜多方高校と6レーン岩手県・西和賀高校が競り合い速さを見せつけます。ところが、750メートルを過ぎた付近で、岩手・西和賀高校クルーに悪夢が!!なんとオールが1本折れてしまい、水面に食い込んでしまっています。それでも粘りの「こぎ」をみせますが、2レーン福島・喜多方高校が1着。 ここでラストスパートのトップスピードにのせてきたのは、宮城県・佐沼高校クルー。 オールが1本少ない状況でも粘る岩手・西和賀でしたが失速。スピードにのった宮城・佐沼クルーが抜き去り2着をゲット。 3着岩手・西和賀高校となりました。 このレース。実はもう1艇アクシデントが発生してたんです。 スタート後まもなく、3レーン青森県・大湊高校クルーの機材トラブルが発生。 こちらは一人が全く漕げない状態となり、もう一人の選手がレースを漕ぎきりました。 最初に紹介した機材調整が、ホントにボート競技の重要なポイントですね。 自ら行うセッティングに万全を期すべし!大事な教訓を新人戦で学んだと思います。
さあ、レースナンバー4男子ダブルスカル決勝
スタートから、先頭に出た5レーン宮城県・石巻高校クルーを、2レーン岩手県・山田高校クルーが追う展開。 石巻高校クルーの高橋選手・武田選手は夏のインターハイを経験した選手だけあり、逃げ切りを見せ1着。2着岩手・山田高校。 3着争いは、3レーン青森・むつ工業高校クルー、4レーン福島・西会津高校クルー、7レーン秋田・秋田高校クルーの競り合いを制して、4レーン福島県・西会津高校が3着を獲得しました。
いよいよ女子舵手付きクォドルプル決勝
スタートから750メートルまで横1線の好レースを見せます。 残り100メートルから5レーン宮城・石巻高校クルーがリード。そのあとを7レーン青森・青森中央高校が追う展開。 2レーン岩手・盛岡第三高校、3レーン秋田。本庄高校が横並びのマッチレース。 トップでゴールしたのは、1挺身の差をつけ5レーン宮城・石巻高校クルーが1着。 7レーン青森県・青森中央高校クルーが追い込み2着。 3着争いは接戦です。0.5秒差で3着2レーン岩手県・盛岡第三高校、4着3レーン秋田県・本庄高校の結果でした。
最終レース 男子舵手付きクォドルプル決勝
舵取り役のコックス1名と、4名のクルーが乗り込み、全身を使ってオールを引きスピードに乗せてくる花形種目男子クォドルプル。 スタートから500メートルまでは横並びで力を競い合う接戦。 750メートル通過地点で抜け出してきたのは、5レーン宮城県・佐沼高校クルー。追って3レーン岩手県・黒沢尻工業高校クルー。さらに、3位で6レーン山形県・酒田光陵高校クルーが追う展開。 残り50メートル、最後まで乱れず漕ぎ切った5レーン宮城・佐沼高校が1着でゴール。 2.5秒差で3レーン岩手・黒沢尻工業高校が2着。 3着争いはゴール寸前までもつれこみ、6レーン山形県・酒田光陵高校が3着。0.4秒差で7レーン青森県・田名部高校が4着。 1着から4着まで安定したピッチで見応えのあるレースでした。
コロナウイルスの影響で無観客試合となり、ボート場は選手関係者以外、保護者も立ち入り禁止で実施されている昨今の部活動。
エリア外の高台から見守る父兄のみなさんにも、家で健闘を祈っている家族にも、この試合風景を見て欲しい。
そんな思いからまちナビでは、マガジンと動画配信のハイブリット取材を行いました。
ボート競技を知らいない方でも、その魅力や迫力を感じてもらえるはずです。 仲間の背中を見つめ、全力でオールを漕ぎ続ける選手たちの姿を、ぜひ応援してくださいね。
1,000メートル先のスタート地点とゴールの審判塔は特別なシステムで連動し、ビデオ判定やタイム計測を行い競技運営が行われています。
選手一人ひとりの基礎の積み重ね、仲間とのチームワーク、試合への情熱。 ボート機材など道具を大切にする高校生の姿にまちナビ編集部は感動しました。
来年3月の全国選抜大会の検討を祈ります。コロナが収束してればいいなぁーー そんな春を夢見ています。